『猫語の教科書』 ポール・ギャリコ
一匹のメス猫によって書かれた人間の家をいかにして乗っ取るかについて書かれた本。
アメリカ人のポール・ギャリコが猫によって書かれた原稿を英語に翻訳し出版したもの。
猫による鋭い人間観察論でもある。
猫好きの人ならば思わず納得する話が多く、猫を飼っているなら読みながら思わず飼い猫を観察してしまうような内容だ。
同時に多くの下僕たちには言わずもがなの内容でもある。
人間だけではなく猫からの視点も持てば猫と人との共同生活も、もっと上手にやっていけるかもしれない。
起きているときの表情やポーズは、背景まで考慮に入れなくてはなりません。人の家を乗っ取るのは生易しいことじゃないって、わかるでしょう?
気楽な稼業だなんて、とんでもない。
稼がなくていいぶん、持って生まれたオツムは、いつもフル回転させなくちゃ。
猫の魅力を引き立てる背景ならいくらでもあります。綺麗な敷物、鏡、見通しの良い階段……。
ポール・ギャリコ『猫語の教科書』より引用
猫語の教科書 ポール・ギャリコ 灰島 かり 訳 筑摩書房
猫語の教科書 ポール・ギャリコ 灰島 かり 訳 筑摩書房
2010/02/20